出雲大社だけの特別な作法
一般的な神社の参拝作法は「二礼二拍手一礼」ですが、出雲大社では「二礼四拍手一礼(にれい・よんはくしゅ・いちれい)」が正式な作法です。
出雲大社の参拝手順
二礼
→
四拍手
→
一礼
※手は節を合わせて叩きます(右手を少し引く必要はありません)。
なぜ4回手を叩くの?
「四(し)」という数字は、一般的には「死」を連想させるため避けられがちですが、出雲大社においては「四(し)=幸せ」を意味するとされています。
また、東西南北(四方)を守る神様に敬意を表すためや、四季(春夏秋冬)の繁栄を祈るためなど、諸説ありますが、いずれにしても「より丁寧な祈り」を表す作法として受け継がれています。
出雲大社の由来とご利益
祭神:大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)
出雲大社の御祭神は、「だいこくさま」として親しまれる大国主大神です。日本神話において、国造りを行った後に、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の子孫に国を譲った(国譲り)神様として知られています。
縁結びと神在月(かみありづき)
大国主大神は、目に見えない世界(神事・幽事)を司る神様となり、人々の「ご縁」を結ぶ役割を担うようになりました。そのため、旧暦の10月(現在の11月頃)には、日本全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲に集まり、人々の縁結びについての会議(神議り)を行うと言われています。
このため、他の地域では10月を「神無月(かんなづき)」と呼びますが、出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼びます。
同じ「四拍手」をする神社
実は、二礼四拍手一礼を行うのは出雲大社だけではありません。以下の神社でも同様の作法が伝わっています。
よくある質問(Q&A)
間違えて「二拍手」してしまったら?
うっかりいつもの癖で2回叩いてしまっても、過度に気にする必要はありません。大切なのは回数そのものよりも、神様に対する感謝と敬意の気持ちです。気づいた時点で心を込めてお祈りすれば大丈夫です。
神在月(11月頃)以外に行ってもご利益はありますか?
もちろんです。神在月は神様が集まる特別な期間ですが、主祭神である大国主大神は常に出雲大社にいらっしゃいます。いつ参拝しても素晴らしいご縁を授けてくださいます。
参拝時の服装に決まりはありますか?
厳格な決まりはありませんが、神様の御前ですので、露出の多い服やサンダルなどは避け、清潔感のある服装を心がけるのがマナーです。特に御垣内参拝(特別参拝)をする場合は、スーツなどの正装が求められます。
お賽銭はいくらがいいですか?
「ご縁がありますように」と5円玉を入れる方が多いですが、金額に決まりはありません。ご自身の感謝の気持ちを表す金額で問題ありません。